インプラント治療とは、歯を失った顎の骨にインプラント(人口の歯根)を埋め込み、その上に被せ物(人口の歯)を取り付ける治療法のことです。生まれつき持っている自分の歯に近い審美性を再現でき、また、食べ物を味わう、噛むなどの機能の回復が可能です。
1 インプラント治療の成功率は?
治療を担当する歯科医師の技術だけでなく、患者さまの体質や口内状態、予期しない要因によって治療の結果は左右されます。従って、正確な成功率を出すことは難しいですが、一般的には、90%以上の確率で成功すると言われています。
2 治療の成功率を下げる行為
インプラント治療がうまくいくよう歯科医院側が努力するのは当然のことですが、患者さまの生活習慣、行為も治療の成功率に影響します。この章では、成功率を下げる行為についてお伝えします。
1)自己判断による治療の中断や延期
インプラント治療は医師の指示に基づいて計画的に進める必要があります。自己判断による治療の中断や延期は治療の結果に悪影響を及ぼす可能性があります。治療の進行や予定の変更が必要な場合は、必ず医師と相談しましょう。
2)医師の指示を無視する行為
治療中や治療後に医師からの指示がある場合は必ず従いましょう。指示を無視したり、自己判断で行動することは治療の成功率を低下させる可能性があります。
3)口腔メンテナンスの怠り
インプラントを長期的に安定して機能させるためには、治療部分周囲だけでなく、口内全体の衛生状態を保つことが必要です。ブラッシング、フロスやマウスウォッシュの利用など口腔衛生の習慣を怠ると、インプラント周囲の炎症や感染のリスクが高まります。
4)悪影響を及ぼす生活習慣
喫煙や過度な飲酒は、成功率やインプラントの寿命に影響を与えることがわかっています。喫煙は血行の悪化を、過度の飲酒は免疫機能を低下させ、治療部分周辺の組織の修復を妨げる可能性があります。このような、治療の成功に悪影響を及ぼしかねない生活習慣はできる限り控えるか、完全に断ち切ることが望ましいです。
3 インプラント治療の成功率を上げるために
インプラント治療の成功率をあげるためにはまず、専門的な知識と高度な技術を持った、信頼できる歯科医師を選ぶことが重要です。治療をお願いする先生を決めたら、納得するまで治療内容について説明してもらうことで、トラブルを未然に防ぐことができます。また、健康状態と口内衛生状況の改善・維持も成功率をあげるためには不可欠です。
4 まとめ
インプラント治療の成功には、歯科医師の技術、患者さまの生活習慣や体質など多数の要因が影響します。1%でも成功率を上げ、長期的に治療の効果を発揮するためには、歯科医院と患者さまが協力して治療を進めていく必要があります。